【劇場】美しき運命の傷痕 [観る(映画2006)]
キエシロフスキの遺稿「天国」「地獄」「煉獄」の第二章「地獄」
を『ノーマンズ・ランド』のダニス・タノヴィッチが映画化。
生き方、愛し方はばらばらで決して混じり合うことはないけれど、
何か壊れたかけらを暗闇で探しているような不安を抱えている3姉
妹の激しく脆く安まることがない姿に、幼少時の彼女らを襲ったあ
る出来事が重なることで、キエシロフスキ作品の根底に流れる”運
命と偶然”を強く意識させられます。
しかし、それだけには収まらない3姉妹と母親が燃やす情念の炎。
濃厚な時間は最後まで続き、圧倒された私はあっぷあっぷと溺れて
しまう。
素晴らしく見応えのある作品。
「煉獄」は誰が撮るのかな?とても楽しみ。
(2006/05/03@テアトル梅田)
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