【劇場】キング・コング

　
　
ピーター・ジャクソンが子供の頃から憧れていたという「キング・
コング」。
上映時間は３時間を超え、制作費も２００億円というだけに、豪華
さ、怖さ、はらはらどきどき感に加え、哀しみまであふれた、スク
リーンで観るに相応しい大娯楽作で、「LOTR」シリーズを超える
面白さです。
といってもダイナミックさばかり追ってるわけでなく、氷上のコン
グなぞ美しくも儚く、その後のコングの運命を暗示するかのような
繊細さで、私は涙涙。スクリーンが曇ってしょうがなかったのです。
時間があればまた観たい。
　　　　　　　　　　　　　（2005/12/14@TOHOシネマズ二条）
　
　

【試写】ギミー・ヘブン

　
　
人間が持つ五つの感覚のうち、複数の感覚が連動して働いてしまう
”共感覚”を題材にしたサスペンス。
ということですが、”共感覚”という特殊な感覚が活かされた物語
ではなかったの。ネタの使い方はこんなもんかよ！とがっくり。
すぐ忘れそうな気がします。（2005/12/13@なんでもアリーナ）
　
　

【劇場】愛をつづる詩（うた）

　
　
夫婦生活に絶望している女性学者と、イギリスに亡命したレバノン
人コックの、文化、宗教を越えた恋愛。
「タンゴ・レッスン」でも感じましたが、サリー・ポッターの願望、
妄想がよそ見もせずに一直線にスクリーンに表されたような世界は
ちょっとこっぱずかしかったりするのですが、韻をふんだ台詞の数々
はそれだけでかなり酔えたりする。（2005/12/11@京都シネマ）
　　
　

【劇場】亀も空を飛ぶ

　
　
笑顔を見せない少女に、両腕のない少年、目のみえない赤ちゃん。
戦争下で生きるイラク北部の子供たち。
そんな環境でも地雷を掘り出しお金に換える子供たちの姿を、明る
くたくましく生きているとでもいえば、こちら側で生きている私ら
の気も済む（紛れる）のかもしれませんが、私には絶望しか感じら
れません。
自衛隊の水配給にケチをつけ、たんまに不用になった文房具や古着
を送って満足している私が、本当にしなきゃいけないことは何なん
だろう？と考えても、思いつかせてくれない世界に、私は沈み込ん
でしまったのです。（2005/12/11@京都シネマ）
　
　

【映画祭】クライング・フィスト

　
　
韓国エンタテインメント映画祭 2005 in 大阪で鑑賞。
　
韓流ブームに乗った映画祭っぽいし、あまり興味を惹く上映作品は
なかったのですが、「オールド・ボーイ」のチェ・ミンシクがゲス
トと聞き、１本だけ観ました。
上映前に舞台挨拶、上映後にティーチインがあったのですが、そう
いうイベントの少ない関西で、頓珍漢な質問が出ないか心配でした
が、皆さん、出演作、役柄、泣きシーンへの感想、分析など、なか
なかしっかりした意見の後に（なんか「痛快！明石家電視台」のな
にをきくねんのコーナーようでしたがw）、失礼のないしっかりし
た質問が続き、韓流ブームも定着してきてるのかも、、、と思った
次第。
　
質問に「日本の映画に出演されるという噂を聞きましたが、、、」
というのがあったのですが、「映画の世界もグローバル化が進んで
いますが、私は韓国で身近な人たちと作っていきたい。同じ人間な
のだから、それは世界の人たちにも伝わってゆくはずです。」とい
うようなことをおっしゃっていたのが、とても印象的でした。
　
で、「クライング・フィスト」。日本では今春公開。
事業に失敗し妻子も失った元ボクサーと、悪さをして少年院に入っ
た青年、人生崖っぷちのふたりが、家族の為にボクシングの新人王
戦を目指す、という話。
ひねりもなく、とにかくふたりの人生とボクシングにかける姿をシ
ンプルに撮ってあり、スポーツを観るような感じで、映画的な感動
は私にはなかったです。（2005/12/10@リサイタルホール）
　　
　

【劇場】ポビーとディンガン

　
　
オーストラリアのオパール採掘の町で起こる小さな事件と奇跡。
少女が空想の中に作った友達ポビーとディンガンの行方探しを縦軸
に、オパール探しで一攫千金を狙う大人たちの夢を横軸にして、あ
りがちなテーマにささやかな感動を与えていたと思います。
　　　　　　　　　　　　　（2005/12/10@梅田ガーデンシネマ）
　
　

【試写】ロード・オブ・ウォー

　
　
”史上最強の武器商人”と呼ばれた男の半生記。
実際に複数の武器商人にリサーチしたという武器商人の姿は、戦争
ある所に武器商人あり、というよりも、武器商人いる所に戦争あり、
というようなありさまなのだけど、実際世界の各地で戦争や内紛が
なくならないことを思えばありなんでしょう。
一発の銃弾が出来上がるまでの工程から運ばれて人の手に渡った先
までを映したオープニングの衝撃は、その後も社会風刺という形で
残るのですが、意外にも硬さはなく、映画的にまとまっていたりし
て、シリアスな印象は残りません。なかなか面白く観ました。
　　　　　　　　　　　　　　（2005/12/05@リサイタルホール）
　
　

【劇場】インサイド・ディープ・スロート

　
　
その過激な性描写が物議をかもした伝説のポルノ映画「ディープ・
スロート」の、社会に与えた影響を検証したドキュメンタリー。
当時の社会状況を知るには面白かったかもしれない。
それにしても、作品の中に挟まれる「ディープ・スロート」の映
像はボカシ付き。日本では「ディープ・スロート」騒動的なこと
が起こるような時期にはまだ来てないということですね〜。
　　　　　　　　　　　　　　　　（2005/12/04@京極弥生座）
　
　

【劇場】ミリオンズ

　
　
「トレインスポッティング」「28日後...」のダニー・ボイルが”子
供にも堂々と見せられる映画”として作られた作品。
というだけに、舞台であるマンチェスターは青い空、黄色い花畑と
あざやかで、今までの作品とは印象が違います。
もうすぐ通貨がユーロに切り替わりポンド紙幣は紙くずになってし
まうという時に大金が降ってきた、、、という展開に、ひたすら慈
善的な使い方を考える信心深く純真なダミアン少年と、同級生を買
収し、不動産購入を考えたり、ポンドからドルに換えることを思い
つく利己的なダミアンの兄の、相反するふたりを設定したことで、
子供が主役の映画にありがちなあざとさからぎりぎり守っています。
ファンタジーな展開は好きではないけど、この作品に限っては最後
のシーンも美しく、私は素直に感動してしまう。
　　　　　　　　　　　　　　　（2005/12/04@京都みなみ会館）
　
　

【試写】チキン・リトル

　
　
ディズニー初の3DCGアニメーションなのだそうです。
早くから劇場に流れていた予告とチキン・リトルのかわいい姿に期
待していましたが、無理やりくっつけたような「宇宙戦争」ネタは
不自然だし、だからといってそれがなければアニメにする内容でも
なかったし。全体的に印象が薄い。
ピクサーと組んでた時に本編上映前に流されていたミニアニメの代
わりのようなものでしょうか、チキン・リトルひろみちお兄さんが
「恋のマイアヒ」にのって踊るのですが、子供たち大興奮。本編よ
りこっちの方がウケていたかもしれない。
　　　　　　　　　　　　　　（2005/12/03@リサイタルホール）